施設長が配置される介護施設とは特別養護老人ホームや有料老人ホームなどで、常勤の管理者を1名置くことになっています。特別養護老人ホームの施設長になるには、社会福祉主事の資格を持ち、社会福祉事業に2年以上の実務経験があり、さらに社会福祉施設長資格認定講習会を受講しなければなりません。社会福祉主事の資格は介護福祉士としての実務経験も必要なので、介護現場の事情に精通している者しか特別養護老人ホームの施設長にはなれないのです。

それ以外の介護施設でも、ケアマネージャーや介護職員初任者研修といった資格を取得していて介護現場での実務経験のある者が優先的に施設長として採用されます。施設長は実務経験を生かして人材不足の現場をサポートすることも珍しくありません。常に求人募集を行って介護職員の応募があれば面接し採用の判断を行います。それだけでなく、現場スタッフの人員配置や業務指導も常に行っていかなければなりません。ときには利用者やその家族からクレームが来ることがあるため、その対応に追われることもあるでしょう。したがって、施設長には様々な人と上手に意思疎通を図れる高いコミュニケーション能力が求められます。

また、収支管理や介護報酬請求費用の計算など事務関係の管理も必要で、事務処理能力も備えていなければなりません。施設の安全性や設備の不備なども常に見回って監視します。使用者として労務管理やコンプライアンスにもチェックを怠ることはできません。施設長は介護以外にも様々な知識やスキルも求められる仕事と言えるでしょう。